動物性
マムシの内臓を取り除き、皮を剥いだ後、乾燥させて棒状にしたもの。近縁種のハブ、アオハブ、ヒメハブを使われることもある。長さ約50cm。褐色で、黒褐色の円形斑紋が少しずれて並ぶ。マムシの胆嚢を乾燥させたものは「蛇胆」と呼ばれ、こちらも広く利用されている。
「反鼻」と言われるようになったのは、『新修本草』(659年)の中で「鼻は反り」と述べられて以降だと考えられています。もっと遡って、なぜ古人たちがマムシを薬用にしようと考えたか、それはおそらく、マムシの持つ驚異的な生命力。首を切り落としても動くこと、交尾時間の長いことはよく知られています。このようなすさまじい生命力を見聞きした人々が、食べることによって自分の体の中にもマムシのような生命力を宿らせたいと願うようになったのだと考えられています。生命力に優れる動植物を食すことで、自らの生命力を補う。民間医療における生薬は、このようにして確立されていったものが多く存在します。